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呼気中水素ガス測定法とは7. 腸内細菌の異常増殖(Bacterial Overgrowth)の検査法 最近、呼気検査を腸内細菌の異常増殖の診断に用いているという文献が増えています。
腸内細菌は小腸に入ると、栄養豊かな環境で生存し、増殖します。 ほとんどの腸内細菌は、摂取されたときに胃のなかの厳しい酸の環境に殺されるため、小腸の隣接部分(十二指腸と空腸)における腸内細菌の数は少なくなっています。 しかしながら、無塩酸症の患者の胃内では腸内細菌の濃度が上昇し、小腸へ転移増殖するかもしれません。 小腸の低能動性または他の「状況stasis」の原因によって、結腸から小腸へと腸内細菌が侵入することは可能になります。これらの状態は、小腸の細菌数が腸の内容物1mlに対して105 を越えるほどの増加を可能にします。 この状態を「腸内細菌の異常増殖」と定義されています。
この状態は炭水化物吸収不良と類似した症状へとつながります。これはまた、いくらかのビタミンを破壊し、脂肪酸の吸収を妨げ通常は空腸に吸収される糖分や他の栄養素を得るために競争します。 従ってこれらは消化の深刻な妨害で、診断された場合にのみ、効果的に治療される可能性があります。
呼気検査による腸内細菌の異常増殖の発見のために、二つの方法が提案されてきました。 最初の方法はグルコースを用いるものです。グルコースは通常は腸内細菌にさらされることなく加水分解されて結腸に達する前に吸収されるからです。 第2の方法はラクツロースを使用します。 ラクツロースは通常は結腸に達するまで加水分解されていません。従って、ラクツロースの摂取後すぐに追跡ガスに反応が現れ、次いで結腸にラクツロースが到達したことを示すより大きい反応があれば、腸内細菌の異常増殖の存在が考えられます。 ・「グルコースを用いた腸内細菌の異常増殖検査法」
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