呼気生化学栄養代謝研究所,breathlab.jp
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この測定法の利点

 

原理について

 

測定方法の詳細説明

1.はじめに

 

2. 呼気検査は消化吸収障害と

 どんな関があるか?

 

3. 呼気追跡ガスにとって

  の正常とは何か?

 

4. 呼気中水素測定の信頼性

 

5. 呼気中メタンについて

 

6. 呼気中水素・メタンについて

 

7. 腸内細菌の異常増殖

  (Bacterial Overgrowth)の

  検査法

 

8. 小腸通過時間
  (Oro-Cecal Transit Time)

 

9. 臨床研究例

 

10. 呼気中水素
  メタン検査の特徴

 

11. 呼気中水素
  メタン分析装置の性能

 

文献紹介

 
 

呼気中水素ガス測定法とは

2. 呼気検査は消化吸収障害とどんな関係があるか?

2. 呼気検査は消化吸収障害とどんな関係があるか?
腸内細菌が炭水化物を消化する(又は発酵する)と、酸と水分とガスが生じます。

この産生されるガスは、主に二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、メタン(CH4)、そして少ない濃度の揮発性脂肪酸と芳香性化合物を含みます。

 

 CO2は新陳代謝の間に全細胞によって産生されますが、腸内細菌のみがH2とCH4を新陳代謝の副産物として産生します。

 


 そして、これは主に嫌気性の腸内細菌(酸素の欠如時に成長する)により産生されます。

従って、もしH2又はCH4が体内に生じた場合はこれは基質(栄養物)が腸内細菌の発酵にさらされているか、又は前に発酵にさらされたことを示しています。

 腸内細菌は通常、消化管の中では、結腸に限定的に存在します。

食物と一緒に摂取された腸内細菌のほとんどは胃酸で殺されます。

従って通常、小腸の腸内細菌は少ないことになります。

 

 「腸内細菌の異常増殖」と呼ばれる状態においては、腸内細菌が多量に小腸(普通は空腸)にあり、これらの存在は深刻な結果を引き起こします。

この深刻な状態を評価するのに呼気中水素・メタン分析装置を用いることができます。

 

 全ての医学生は、結腸が、管腔内の内容物から塩分と水分を回収するために関係していることを認識されています。

しかし、結腸はもっと多くの「正常な生理学」に関係しているので結腸の生理学上の機能は、高い腸内細菌数をもっていることになります。

 

 小腸で消化されない食物繊維の腸内細菌による発酵は、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生し、これらは吸収されます。
 かなりの量の澱粉(マメのような食品の10−20%程度)が小腸での消化を逃れて結腸において分解されます。

このように、食品によりエネルギーの生産の効率を増す、ということが明らかにされようとしています。

さらに、結腸の腸内細菌は糞便を大きくし、炭水化物の発酵により生じるSCFAは結腸のpHを減少させます。

これらの要素は下痢の可能性を少なくし、(論議のあるところだが)結腸がんに対してある程度の予防となるかも知れず、カルシウム、マグネシウム、亜鉛のような金属イオンの結腸吸収を促進する可能性があります。

 

 従って、結腸における醗酵は呼気検査の中心であるガスの産生に加えて、重要な利点があります。

それは、結腸で生産されたガスの一部が、その局部を離れていく血液に再吸収され、均衡がとられているという事実に基づいています。

それは肺胞空気(肺において毛管現象の血液と均衡がとられた空気の量)のなかに現われ、呼気ガス分析装置で分析が可能になります。

 

 炭水化物という語は、澱粉(パンや芋など)と糖分と食物繊維(セルロースなど)を示す用語です。

二糖類は炭水化物系における「複糖類(ダブル・シュガー)」の特別なカテゴリーです。

 

 呼気水素検査は約30年前に開発され、それ以来、二糖類吸収不良は、下痢と腸の他の症状に対して、以前に推測されていたよりも頻度の高い要因であることが明らかになってきました。

二糖類は非常に一般的な食物なので(二糖類吸収不良は)、成人の「浸透性」下痢の最も一般的な原因です。

ある人口グループにおいて、乳糖吸収不良は一般的です。

(そのグループの)成人にミルク糖分を加水分解する酵素が不足していることが遺伝的に決まっているからです。

つまり、ミルクを消化できないのに、そのことを知らない人々がミルクを飲んでいます。

 

 ミルク糖分、すなわち二糖類(乳糖)は、通常、2個の単糖類、すなわちぶどう糖およびガラクトースに分割、つまり加水分解されます。

そして、ただちに小腸の基部に近いところ、すなわち空腸に吸収されます。

加水分解はラクターゼという「酵素」の有無によります。もし酵素が無ければ(または不適当な量しか産生されない場合)、乳糖の吸収不良となります。

このような吸収不良の苦しさはあらゆる程度で存在します。

 重度の場合には、腸管で消化されない糖分は、腸のなかで水分を保持するので膨満、不快、下痢を引き起こします。

糖分が結腸に達すると、腸内細菌の作用でそこに生じたガスがさらに膨満、激しい腹痛、鼓腸症状、および一般的な不快症状を引き起こします。

これらの症状は下痢を併発し、軽度の不快感から爆発的な発作まで範囲は広くなります。

これらの徴候は乳糖不耐症と呼ばれる状態を生み出します。

これは、不快感を伴った乳糖吸収不良です。

 

 前に指摘したように、水素とメタンは腸内細菌によってのみ産生されます。

従って、呼気中のこれらのガスは、腸管での炭水化物の分解の信号となります。

結腸の腸内細菌は、結腸の中の他の栄養物からH2とCH4を産生することはできます。

しかし、そのような源泉から産生された量は、炭水化物から産生されるH2とCH4の量と比較すると一定していません。

 

 

 

 


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