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呼気中水素ガス測定法とは9. 臨床研究例
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1. 朝食摂取後 | 5.4±7.5ppm |
2. ボグリボース服用症例 | 9.0±15.7ppm |
3. アカルボース服用症例 | 10.7±11.8ppm |
4. 膵性糖尿病症例 | 25.6±18.0ppm |
朝食後のボグリボース服用、アカルボース服用に差異はなかった。
(3) α-グルコシターゼ阻害剤(α-GI)長期投与による糞便中短鎖脂肪酸排泄量と呼気中水素濃度
短鎖脂肪酸(SFCA) | 水素 | |
投与前 | 1.17±0.72 g | 22.4ppm |
6ヶ月後 | 6.80±4.87g | 42.8ppm |
(4) 糖尿病患者の乳糖不耐症
症状 | ||
自覚症状なし | 37.8% | |
内訳 | ||
放屁の増加 | 76.8% | |
下痢 | 69.5% | |
腹鳴 | 42.3% | |
腹満 | 40.2% | |
腹痛 | 23.2% |
(5) 血糖上昇値と呼気水素上昇値の差異
腹部症状のあるものは31例中9例で臨床的に乳糖不耐症と判定されました。
腹部症状のない22例は血糖上昇値が10mg/dl以上で乳糖不耐症「無し」と判定され、
かつ呼気水素濃度上昇値(20ppm以上)から乳糖不耐症「有り」と判定されたものが7例存在しました。
β-ガラクシトターゼ製剤添加(乳糖は腸管内でグルコースとガラクトースに分解される。) により7例すべて腹部症状は消失し、血糖上昇値は18.4から60.6mg/dlに増加し、呼気中水素上昇値は19.7ppmから7.7ppmに有意に減少しました。
以上のように血糖上昇値は乳糖不耐症の判定を見逃す可能性があり、呼気中水素上昇値の方が有用であります。
・9-1 糖尿病における呼気中水素濃度測定の臨床的意義
・9-2 糖尿病症例による乳糖不耐症の診断(耐糖能異常)