呼気中水素ガス測定法とは
9. 臨床研究例
9-2 糖尿病症例による乳糖不耐症の診断(耐糖能異常)
糖尿病症例の乳糖不耐症診断における
呼気中水素ガス測定の有用性:(消化と吸収Vol.20 No.2-'97)
(1) 血液採取による乳糖負荷試験法及び呼気水素測定の比較
判定方法
1.血糖上昇値10mg/dl以下を陽性と判定
2.呼気水素濃度が前値より20ppm以上上昇を陽性と判定
乳糖負荷試験及び呼気水素測定の比較
糖尿病患者4例に牛乳1本飲用後、下痢、軟便、腹痛、腹部膨満、放屁の増加の腹部症状を呈し、
臨床的に乳糖不耐症と診断。確定診断のため乳糖負荷試験において、血糖上昇値からは2例は乳糖不耐症と診断できたが、
残りの2例は乳糖不耐症なしと診断されました。この4例の呼気を採取し呼気中水素濃度の測定からは4例全てが
乳糖不耐症と診断できました。さらに乳糖にチラクターゼを添加し負荷試験を実施すると4例とも血糖上昇値は
30mg/dl以上となり、呼気水素濃度上昇値も20ppm以下となり、腹部症状も消失しました。
これは、間接的に低ラクターゼ活性が存在していることを示唆されています。
以上、4例の結果から、糖尿病症例の乳糖不耐症を診断するための乳糖負荷試験の血糖上昇値の感度は50%でありました。
一方、呼気水素濃度の感度は100%でありました。
・9-1 糖尿病における呼気中水素濃度測定の臨床的意義
・9-2 糖尿病症例による乳糖不耐症の診断(耐糖能異常)
・9-3 生活科学による研究
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