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この測定法の利点

 

原理について

 

測定方法の詳細説明

1.はじめに

 

2. 呼気検査は消化吸収障害と

 どんな関があるか?

 

3. 呼気追跡ガスにとって

  の正常とは何か?

 

4. 呼気中水素測定の信頼性

 

5. 呼気中メタンについて

 

6. 呼気中水素・メタンについて

 

7. 腸内細菌の異常増殖

  (Bacterial Overgrowth)の

  検査法

 

8. 小腸通過時間
  (Oro-Cecal Transit Time)

 

9. 臨床研究例

 

10. 呼気中水素
  メタン検査の特徴

 

11. 呼気中水素
  メタン分析装置の性能

 

文献紹介

 
 

呼気中水素ガス測定法とは

7. 腸内細菌の異常増殖(Bacterial Overgrowth)の検査法
上部小腸細菌叢の異常増殖


盲管症候群*(Blind loop syndrome)に代表されるが、胃切除後症候群や稀なものでは偽閉塞症などにも起こります。

何れの場合も異常増殖した細菌は種々の病態を引き起こします。
 例えば、細菌代謝産物の刺激により胃腸症状を引き起こしたり、生体に必要な物質が細菌に代謝されてしまい正常の生理作用が阻害されたりします。
 特に増殖した細菌の中に胆汁酸を脱抱合する能力を有する菌が多いと、胆汁から小腸に入った抱合型胆汁酸は速やかに脱抱合されてしまいます。

 

生じた遊離胆汁酸は小腸で吸収されるので、胆汁酸濃度は臨界ミセル濃度以下になり脂肪の吸収障害を招きます。

また、このような管腔内相の異常のみならず、細菌が異常増殖すると粘膜上皮の障害も引き起こされて、この際の病態に関与するようであります

 

表1 上部小腸細菌による胆汁酸脱抱合能
検体数
タウロコール酸
グリココール酸
Enterobacteriaceae
100
2
2
Streptococci
100
37
39
Micrococcaceae
11
1
3
Yeasts
30
0
0
Lactobacilli
80
36
37
Bifidobacteria
10
6
6
Eubacteria
11
11
11
Bacteroidaceae
100
71
67
Peptococcaceae
20
3
1
Clostridia
11
11
11
Veillonellae
25
1
1

 胆汁酸を代謝する菌には嫌気性菌が多いが、表1に胃切除後消化吸収障害患者の空腸液から培養された菌株の抱合胆汁酸の脱抱合能を示します。

特に検出率、菌数が多く、脱抱合株の頻度も高いBacteroidaceaeやEubacteriaなどの嫌気性菌は、菌数と糞便中脂肪量の間に正の相関が認められています。

- このような小腸内の細胞異常増殖によって惹起される病態に対しては、抗生物質や抗菌剤が有用であす。(図2)

特に嫌気性菌に効果のあるメトロニダゾール(フラジール)の投与が効果的であり、細菌叢に変化を起こしにくい合成ペニシリン剤とともに賞用されています。

 

*狭窄とか手術後のような小腸の解剖的変化に由来する症候群で、腸管は主通路から不連続となるか、あるいは腸内容物は流入しても容易にそこから流出しないようなときに起こります。そのため細菌、特に嫌気性菌の異常増殖が起こりビタミンB12の吸収不全脂肪酸性下痢、貧血が現れます。

 

 

 


「グルコースを用いた腸内細菌の異常増殖検査法」
「ラクツロースを用いた腸内細菌の異常増殖検査法」
「腸内細菌の異常増殖に対するメタン検査」
「腸内細菌の異常増殖プロトコール」
腸内細菌の異常増殖に対する呼気検査の解釈
・上部小腸細菌叢の異常増殖

 


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