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呼気中水素ガス測定法とは7. 腸内細菌の異常増殖(Bacterial Overgrowth)の検査法
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表1 上部小腸細菌による胆汁酸脱抱合能 |
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検体数 |
タウロコール酸 |
グリココール酸 |
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Enterobacteriaceae | 100 |
2 |
2 |
Streptococci | 100 |
37 |
39 |
Micrococcaceae | 11 |
1 |
3 |
Yeasts | 30 |
0 |
0 |
Lactobacilli | 80 |
36 |
37 |
Bifidobacteria | 10 |
6 |
6 |
Eubacteria | 11 |
11 |
11 |
Bacteroidaceae | 100 |
71 |
67 |
Peptococcaceae | 20 |
3 |
1 |
Clostridia | 11 |
11 |
11 |
Veillonellae | 25 |
1 |
1 |
胆汁酸を代謝する菌には嫌気性菌が多いが、表1に胃切除後消化吸収障害患者の空腸液から培養された菌株の抱合胆汁酸の脱抱合能を示します。
特に検出率、菌数が多く、脱抱合株の頻度も高いBacteroidaceaeやEubacteriaなどの嫌気性菌は、菌数と糞便中脂肪量の間に正の相関が認められています。
このような小腸内の細胞異常増殖によって惹起される病態に対しては、抗生物質や抗菌剤が有用であす。(図2)
特に嫌気性菌に効果のあるメトロニダゾール(フラジール)の投与が効果的であり、細菌叢に変化を起こしにくい合成ペニシリン剤とともに賞用されています。
*狭窄とか手術後のような小腸の解剖的変化に由来する症候群で、腸管は主通路から不連続となるか、あるいは腸内容物は流入しても容易にそこから流出しないようなときに起こります。そのため細菌、特に嫌気性菌の異常増殖が起こりビタミンB12の吸収不全脂肪酸性下痢、貧血が現れます。
・「グルコースを用いた腸内細菌の異常増殖検査法」
・「ラクツロースを用いた腸内細菌の異常増殖検査法」
・「腸内細菌の異常増殖に対するメタン検査」
・「腸内細菌の異常増殖プロトコール」
・腸内細菌の異常増殖に対する呼気検査の解釈
・上部小腸細菌叢の異常増殖