呼気中水素ガス測定法とは
8. 小腸通過時間(Oro-Cecal Transit Time)
小腸通過時間の解釈
lactulose を用いた小腸通過時間は一般に75分と考えられているが、様々な研究者によって幅広い値が報告されています。
通常、小腸通過時間は5時間を越えることがないと考えられているため絶食状態で5時間以内に水素の上昇が見られなければ検査を無効とし中断して下さい。
lactuloseを代謝し水素ガスを作り出す腸内細菌が、結腸にない患者(被験者)においてこの検査は無効です。
水素を産生しない人は、通常、約8%存在し、腸内細菌により、水素がメタンに転換されていると考えられます。
呼気中水素・メタン分析装置を使用すると、そういった患者を検出することができます。
他の水素の産生を妨げる条件には次のようなものがあります。
a. 結腸内を殺菌する抗菌薬の使用
b. 結腸内の菌数を減らしlactuloseを代謝する時間を短くする重篤な下痢
c. 腸内細菌による水素産生を阻害する結腸の過酸化
d. 水素産生菌の存在しない、lactulose消化の代謝経路がある
結腸内の細菌が小腸内に侵入し、空腸や回腸に腸内細菌が増殖します。腸内細菌の異常増殖の場合、水素が異常に早く出現することがあります。異常に早いピークが出現した後、ベースライン値まで低下します。二番目に出てくるピークは、小腸通過時間を示します。
・小腸通過時間のプロトコール
・患者検査のプロトコール
・小腸通過時間の解釈
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